魯卿あん便り ~ 残暑の中で ~

京橋 魯卿あんは昨日まで夏季休業をいただき、本日より通常営業をしております。毎日言いたくないと思いつつ、つい「暑い!」と口に出してしまう暑さが続いていますが、少しでも涼をお感じいただけるよう、しつらいを変え、店前には打ち水をして皆様のお越しをお待ちしております。
また、魯卿あんでは、時候に合った魅力的なお道具をお客様とご一緒に楽しみたいと思っております。今月から魯卿あんのお茶室で少しずつですが、ご披露したいと思っておりますので、お近くにお越しの際は、是非、京橋魯卿あんにお立ち寄りください。

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〈床の間〉

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花入:鈴木竹朋斎 唐人笠篭花入 (小堀宗慶 箱書)
お花:カルカヤ、吾亦紅、オミナエシ、キキョウ、ナデシコ

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軸:太田垣蓮華尼 海上ノ月 短冊
ものゝふの 八島の浦の 夕波に ながれもあへぬ 弓はりの月

弓の弧の形と月…おそらく三日月であろうか…弓なりの月が目に浮かぶようである。


〈手前座〉

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風炉釜:切子釜と唐銅風炉

水指:富本憲吉 白磁水指
富本コレクターとして名高い松下幽迷庵の旧蔵品。富本家にあった非売のこの白磁鉢を強く所望し、割蓋を制作後、川端近左に黒塗を依頼。平水指として使っていた。富本の白磁は特別な白磁として他の作家の追随を許さない別格のものとすると幽迷庵の覚書が箱裏に貼られている。悠々たる大きさを呈した水指にはたっぷりとお水を張り涼やかさと瑪瑙のようなマットの質感ををお楽しみください。

茶器:黒田辰秋 耀貝螺鈿茶器
耀貝とは友人の棟方志功先生が命名したものでメキシコの鮑を漆を用いて細かく貼っていく。色彩は見る角度で変化し蠱惑的な色彩を放つ。貝の白い部分は白蝶貝を配している。夏の星空のように煌めいています。

茶碗:石黒宗麿 千点瓷茶碗
千点瓷とは中国宋時代の磁州窯に本歌がある。宗麿先生の作品はそこに日本的な情緒をさらに加えて作品とした。宗麿先生の代表作の一つとなり、国立工芸館にも同手の平茶碗が所蔵されている。リズムカルな鉋の弾いた模様を見ていくと正に音楽を奏でているかのように見える。

茶杓:朝倉文夫 収破離
「墓守」や「吊るされた猫」などの代表作で名を馳せた彫刻家朝倉文夫は茶杓を多く残している。櫂先から中節までの太さは独特である。銘を「守破離」でなく「収破離」としている。「収」は取り入れる、取りこむ、おさめるの意味がある。手法をただ守るのでなく取り入れ収め、破りそして離れるということであろうか。

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花入:北大路魯山人 備前あや免花入(共箱)
お花:サルトリイバラ・リンドウ

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魯山人先生の指跡も鮮やか。
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北大路 魯山人
刷毛目平茶碗
共箱


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鳥網と飛んできた鳥が描かれた詩情あふれる絵が描かれている。
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北大路 魯山人
於里遍阿ふぎ鉢
陶々菴箱


(藤)


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魯山人「大雅堂」・「美食倶楽部」発祥の地

魯卿あん(しぶや黒田陶苑・京橋店)

〒104-0031 中央区京橋2-9-9 ASビルディング1

営業時間 : 11:00~18:00 定休日:日曜日・祝日

TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704

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