大酒器展 四日目

最近は雨が続いていたせいで秋めいた気温になってきたと思っていましたが、本日は相変わらず35度近い酷暑となっています。ですが、空を見上げると雲が高く流れていて、いたるところに秋の気配を感じます。さて、毎年恒例の大酒器展も明日で終了となります。これからの季節に向けて、土の暖かさを感じられる酒器はいかがでしょうか。
本日も現代作家より作品をご紹介致します。

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丸田雄
9 唐津白酒觴 5.8 / H4.4cm ¥15,400(税込)
白土が全体をたっぷりと覆うぐい吞。土に含まれた鉄分が下から染み出すように黒い点が浮かび上がっている。正面は火に当てられて少し焦げたような色合いに変化している。見込みには透明釉が掛けられているが、白土の伸縮に引っ張られて細かくヒビが入っている。愛用していくうちに、こうしたヒビや透明釉の掛かっていない部分は大きく変化していくだろう。高台部分はすっかり白土の中に埋まっており、所々液体であった際の気泡が乾燥して生まれる小さな穴が開いている。

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高力芳照
3 備前窯変徳利 8.9 / H12.8cm 共箱 ¥44,000(税込)
煙や灰によって全体的にグレーに窯変した徳利。焼成中に灰などの不純物が降りかかり、岩のようなごつごつとした肌となっている。この徳利の表面に酒が染みる様子は、岩に雨が染み込んでいくような趣ある景色となるだろう。手に持つと意外と重量が軽く、薄く挽かれていることが分かる。その分内容量は多くなるのでお酒が好きな人にはぴったりの徳利である。

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田中佐次郎
2 からつ辰砂盃 6.5 / 6.0 / H5.7cm 共箱 ¥88,000(税込)
今回の展示では、佐次郎先生がお忙しいようで出品がございませんでしたので、以前仕入れた作品を展示しております。
鉄分の多い荒々しい胎土に濃厚な辰砂釉が溶ける作品。釉の中では炎を閉じ込めたように複雑な赤色が揺らめいており、人を引き付ける力強い魅力を持つ。先生は土づくりや釉づくりにおいて一切のデータを取らず、本能に従って作陶される。それ故生まれる作品に同じものはなく、全てが一点物となる。


各作家の作品はいかがでしたか。ご紹介した以外にも様々な先生方に作品を出品して戴いておりますので、気になる作品がございましたらお気軽にお問合せ下さいませ。
追加作品はこちらのページでご紹介しております。



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