【極上の湯盌展】 ~ 作品紹介 ~
大きな大きな大型台風が、ようやく過ぎ去りました。
ゆっくりと進んだことにより、ここ一週間は殆ど強い陽射しも無く過ごせました。一昨日は台風一過の晴天となり、久々の暑さが戻って少し面食らいました。
ゆっくりと進んだことにより、ここ一週間は殆ど強い陽射しも無く過ごせました。一昨日は台風一過の晴天となり、久々の暑さが戻って少し面食らいました。
昨日はまた大雨が降ったりと安定しませんが、この先のお天気や気温はどう変化していくでしょうか。
この大きな気温や湿度の変化に、身体が追い付かずに体調を崩しやすくなる時期にもなってきました。
一日の終わりに湯船につかると、案外身体が冷え切っていることにも気づかされます。段々と温かなお茶を戴くのも、身体の緊張がほぐれて気持ちが良くなる季節です。
この大きな気温や湿度の変化に、身体が追い付かずに体調を崩しやすくなる時期にもなってきました。
一日の終わりに湯船につかると、案外身体が冷え切っていることにも気づかされます。段々と温かなお茶を戴くのも、身体の緊張がほぐれて気持ちが良くなる季節です。
そんなお茶にも様々季節があります。
新茶の季節といえば、「夏も近づく八十八夜」の5月の初夏ですが、そのむかし新茶といえば秋だったそう。初夏に摘まれた茶葉は壺に入れられ、夏の間に低温貯蔵することで風味を増し、新茶特有の青臭さが抜かして、まろやかさとコクや深みのある茶葉にしたそう。
これを後熟といい、初夏の新芽のお茶を熟成させ、その年の「新茶」とされたそうです。
新茶の季節といえば、「夏も近づく八十八夜」の5月の初夏ですが、そのむかし新茶といえば秋だったそう。初夏に摘まれた茶葉は壺に入れられ、夏の間に低温貯蔵することで風味を増し、新茶特有の青臭さが抜かして、まろやかさとコクや深みのある茶葉にしたそう。
これを後熟といい、初夏の新芽のお茶を熟成させ、その年の「新茶」とされたそうです。
さて、今週の金曜日からは、そんな身体にも、お茶の季節としてもピッタリな【極上の湯盌展】が始まります。
今回も巨匠の先生方の作品に加え、21人の現代作家の皆様にご協力戴き、会場には様々なお湯呑みが並びます。
産地、作家、作風も様々……多種多様な作品が並びます。
今回も巨匠の先生方の作品に加え、21人の現代作家の皆様にご協力戴き、会場には様々なお湯呑みが並びます。
産地、作家、作風も様々……多種多様な作品が並びます。
それでは会場に並ぶ沢山の作品の中から、いくつかご紹介させて戴きます。
【巨匠作家】
加守田 章二 / KAMODA SHOJI
8:湯呑 / Tea cup
8:湯呑 / Tea cup
青、緑、白の色とりどりの羽を持った、風車のような柄が描かれたなスッキリとしたお湯呑。
口縁下に一筋、灰釉が乗っているのも、風が吹いているようで絵になっている。
口縁から見込にかけては釉が掛けられ、お茶の染み込みなどを防ぐ。
高台内には「章」の刻銘。
柄と、色合いから1980年の制作の作品と思われる。
口縁下に一筋、灰釉が乗っているのも、風が吹いているようで絵になっている。
口縁から見込にかけては釉が掛けられ、お茶の染み込みなどを防ぐ。
高台内には「章」の刻銘。
柄と、色合いから1980年の制作の作品と思われる。
ザックリとした土が、まるで呼吸しているかのように釉を弾き、景色を作っている。
たっぷりの釉下からは大きく削られたエッジが覗いている。
高台脇に「抱青」の判が押されている。
たっぷりの釉下からは大きく削られたエッジが覗いている。
高台脇に「抱青」の判が押されている。
【現代作家】
伊藤秀人 / HIDEHITO ITO
2・1:白磁碗
2・1:白磁碗
極限まで薄く引き伸ばされたお碗の口縁には、細く鉄釉が施されている。
その鉄釉が微かに滲む表情が、何とも美しい。
その鉄釉が微かに滲む表情が、何とも美しい。
内田鋼一 / KOUICHI UCHIDA
4-1:加彩Bowl / 2:硝子釉線刻文湯呑
4-1:加彩Bowl / 2:硝子釉線刻文湯呑
内田先生は様々なタイプの作品をご用意くださいましたが、その中から2点、ご紹介致します。
マットな質感の加彩碗の内側は茶色い釉が施され、美味しそうなココア色になっている。
また、硝子釉の作品には、落書きのような線が施され、その上から焦げ茶色の薬を流すことで、面白い動きが出ている。釉垂先まで流れた色が、薄っすらと色が入っているのも、また美しい。
マットな質感の加彩碗の内側は茶色い釉が施され、美味しそうなココア色になっている。
また、硝子釉の作品には、落書きのような線が施され、その上から焦げ茶色の薬を流すことで、面白い動きが出ている。釉垂先まで流れた色が、薄っすらと色が入っているのも、また美しい。
隠﨑隆一 / RYUICHI KAKUREZAKI
1:黒縞湯呑 / 2:織部湯呑
1:黒縞湯呑 / 2:織部湯呑
よく見ると三ッ足になっている黒縞湯呑と、苔むしたような姿の織部湯呑。
どちらも味わい深く、面白い姿。
どちらも味わい深く、面白い姿。
たっぷりと大きなお湯呑みは、小振りな筒茶碗のよう。
丸い樽型の湯呑には、轆轤目の気持ち良いリズムが流れている。
片方は鮮やかな緋襷、片方はお花のようなお臍が幾つか付いた可愛らしい姿。
片方は鮮やかな緋襷、片方はお花のようなお臍が幾つか付いた可愛らしい姿。
流れるように立ち上げられた湯呑は、最後にグイっと箆を押し当てて引き上げられている。
その動きがまた手に取りやすく掌に馴染むのが不思議。
その動きがまた手に取りやすく掌に馴染むのが不思議。
小山智徳 / TOMONORI KOYAMA
6・7:志野七角湯呑
1・2:青織部七角湯呑
6・7:志野七角湯呑
1・2:青織部七角湯呑
今年も小山先生からは愉しく美しい作品が届きました。
織部の賑やかな柄行きもさることながら、緋色が出た志野の湯呑も大変美しい。
織部の賑やかな柄行きもさることながら、緋色が出た志野の湯呑も大変美しい。
クッキー生地を丸くかたどったような可愛らしいお湯呑。
鮮やかな赤味が滲み出た志野の湯呑は、鉄釉の部分がチリチリと縮んで面白い表情。
黄瀬戸も淡い黄色に緑色のタンパンが出て、野の花がポッとスポットを当てたように見える。
黄瀬戸も淡い黄色に緑色のタンパンが出て、野の花がポッとスポットを当てたように見える。
丸い胴の湯呑は、土が深い色合いに変化し鮮やかな緋襷が乗る。
また、桟切によって口縁に太陽が沈んできたような赤味が射している湯呑も美しい姿。
また、桟切によって口縁に太陽が沈んできたような赤味が射している湯呑も美しい姿。
今回も福永先生の作品は非常に細やか。
可愛らしい音符柄と、対照的な龍文のお湯呑。
可愛らしい音符柄と、対照的な龍文のお湯呑。
久しぶりの藤平先生のご出品。
様々な空の景色を切り取ったような色合いは、何とも美しく、心穏やかになる。
様々な空の景色を切り取ったような色合いは、何とも美しく、心穏やかになる。
濃淡がはっきり出た鼡志野は黄味がかっていたり、少しグレイッシュなガラス質に変化していたりと、表情豊か。
瀬戸黒の湯呑も釉掛けの妙により、カサカサとした土見せの部分や艶やかな釉や、釉垂れの面白さが際立っている。
瀬戸黒の湯呑も釉掛けの妙により、カサカサとした土見せの部分や艶やかな釉や、釉垂れの面白さが際立っている。
正木先生の湯呑は今回、碗型のタイプ。
そこに載る柄行きが様々あって、組み合わせも自由に選べるのが嬉しいところ。
そこに載る柄行きが様々あって、組み合わせも自由に選べるのが嬉しいところ。
松永先生も幾つか種類をご出品戴きましたが、その中から転写が施されたものをピックアップしました。
12角形の口広がりのお湯呑みの他に、小さな丸味を帯びたお湯呑みも……。
12角形の口広がりのお湯呑みの他に、小さな丸味を帯びたお湯呑みも……。
丸田宗彦 / MUNEHIKO MARUTA
15:粉引唐津湯呑 / 14:刷毛目湯呑 / 11:朝鮮唐津四方湯呑
15:粉引唐津湯呑 / 14:刷毛目湯呑 / 11:朝鮮唐津四方湯呑
真ん中の刷毛目がごく普通の大きさのお湯呑みでしょうか。
小さくコンパクトな物から、背の高いものまで、様々なタイプをご出品下さっています。
ザックリとした筆で施された刷毛目も動きがあって、面白い表情。
小さくコンパクトな物から、背の高いものまで、様々なタイプをご出品下さっています。
ザックリとした筆で施された刷毛目も動きがあって、面白い表情。
丸田宗一廊 / MARUTA Soichiro
2:染つけ湯碗 / 8:染つけ面取湯呑 / 6:染つけ六角湯呑
2:染つけ湯碗 / 8:染つけ面取湯呑 / 6:染つけ六角湯呑
こちらも大きさも様々、色々なタイプのお湯呑みをご用意戴いております。
一番左のお湯呑みには、型を用いたバリが三方に残されているのも面白いところ。
一番左のお湯呑みには、型を用いたバリが三方に残されているのも面白いところ。
丸田雄 / MARUTA Yu
7・6:絵唐津湯呑 / 4:唐津白湯呑
7・6:絵唐津湯呑 / 4:唐津白湯呑
雄先生も、様々なタイプをご出品。
中でも絵唐津の鉄釉の班が躍るように飛ぶタイプは勢いがあって素敵。
中でも絵唐津の鉄釉の班が躍るように飛ぶタイプは勢いがあって素敵。
丸いお湯呑みには薄めの粉引が乗り、微かに素地の色合いが透けたり、一筋掛け残しがあったり、粉引が流れたりと表情を作っている。
最もカジュアルにやきものに触れ、特別なやきものを手にする第一歩としても適した展示会になるかと存じます。
会場に並ぶ沢山のお湯呑みの中から、是非気に入りの作品を見つけて戴けましたら幸いです。
会場に並ぶ沢山のお湯呑みの中から、是非気に入りの作品を見つけて戴けましたら幸いです。
新里先生と見附先生の作品に関しましては、本日作品の到着が叶いませんでした。
展示会当日の朝には到着の予定ですので、当日まで愉しみにお待ちくださいませ。
展示会当日の朝には到着の予定ですので、当日まで愉しみにお待ちくださいませ。
尚、【極上の湯盌展】に出品の見附正康先生の作品に関しましては、「抽選」での販売となりました。
また、内田鋼一先生、新里明士先生の作品に関しましては、初日に限り点数制限をさせて戴きます。
詳しくは下記のリンクよりご確認下さいませ。
また、内田鋼一先生、新里明士先生の作品に関しましては、初日に限り点数制限をさせて戴きます。
詳しくは下記のリンクよりご確認下さいませ。
(葉)
【極上の湯盌展】
Exhibition of Choice Tea Cups
開催期間:2024年9月6日(金) ~ 2024年9月10日(火)
Exhibition : September 6 to September 10, 2024
寛ぎのひと時を、おいしいお茶とお気にいりの湯呑でより極上なものに…
今年も、より一層の「極上の湯盌展」を目指し二十数名の作家の方々にお願いいたしました。
出品予定作家 敬称略/五十音順
伊藤秀人 内田鋼一 隠﨑隆一 加藤亮太郎 金重巌 金重愫 小山智徳 島村光 鈴木都
高力芳照 新里明士 福永幾夫 藤平寧 堀一郎 正木春藏 松永圭太 丸田宗彦 丸田宗一廊 丸田雄
見附正康 矢野直人 他 巨匠作家
伊藤秀人 内田鋼一 隠﨑隆一 加藤亮太郎 金重巌 金重愫 小山智徳 島村光 鈴木都
高力芳照 新里明士 福永幾夫 藤平寧 堀一郎 正木春藏 松永圭太 丸田宗彦 丸田宗一廊 丸田雄
見附正康 矢野直人 他 巨匠作家
Delicious tea and your favorite tea cups would make your tea time much more exquisite.
With the expectation to evolve the exhibition of "Choice Tea Cups" further, more than 20 artists are presenting their recent best works for this exhibition.
Artists
ITO Hidehito, UCHIDA Koichi, KAKUREZAKI Ryuichi, KATO Ryotaro, KANESHIGE Iwao, KANGESHIGE Makoto, KOYAMA Tomonori, SHIMAMURA Hikaru, SUZUKI Shu, TAKARIKI Yoshiteru, NIISATO Akio, FUKUNAGA Ikuo, FUJIHIRA Yasushi, HORI Ichiro, MASAKI Shunzo, MATSUNAGA Keita, MARUTA Munehiko, MARUTA Soichiro, MARUTA Yu, MITSUKE Masayasu, YANO Naoto
and more from great masters pieces.
◇
しぶや黒田陶苑の「公式LINE」が出来ました。
当苑では、渋谷・京橋の店舗にて、年間約40回の陶・漆・金工・硝子・書画など様々な展示会を企画開催しております。
今後の展示会の案内をお客様一律に発信する為、是非ご登録くださいませ。
展示会に関するお知らせや、YouTubeの配信のお知らせをさせて戴きます。
当苑では、渋谷・京橋の店舗にて、年間約40回の陶・漆・金工・硝子・書画など様々な展示会を企画開催しております。
今後の展示会の案内をお客様一律に発信する為、是非ご登録くださいませ。
展示会に関するお知らせや、YouTubeの配信のお知らせをさせて戴きます。
この記事へのコメント