魯卿あん便り~ 秋の気配・・・~

ここ数日朝や夕方からの気温が、これまでのそれとは大違いで低くなり、熱射修業から少し解放された気がしている。が、また暑さは戻るようで、そう簡単に修業を終わらせてくれそうにはないらしい。

京橋 魯卿あんは、この夏も外の暑さを感じさせないような展示としつらいで、お迎えしております。

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店内に入って来られて、多くの方が驚かれる茶室。季節に合わせ、しつらいも変えております。

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軸 : 大田垣蓮月 「海上月」(神光院 識箱)
花入 : 鈴木竹朋斎「唐人花篭花入」(小堀宗慶 箱書)

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花 : ススキ・フジバカマ・ホトトギス・ナデシコ

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花入 : 備前あや免花入
花 : ヒオウギ・リンドウ

活けている花は、一足先に秋を感じる花材で。

晩酌を楽しみに秋の夜長が待たれる方もおいでのことでしょう。現在 魯卿あんで展示している魯山人先生の徳利を2点ご紹介します。

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絵志野矢来文徳利 陶々菴箱

竹を交差して組んで作られた囲いを表現した文様で、外からの敵を防御することから「邪気を払う。魔除け」の意味合いがある「矢来文」。
魯山人先生の矢来文は敵を防ぐというよりは、どこか緩やかな囲いのようで軽いタッチで描かれている。鉄絵の線が白い長石釉の釉肌が覆っているのも尚更その感を強めている。口縁や首から肩に時折のぞく火色がアクセントになっている。


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絵瀬戸櫛目点描文徳利 陶々菴箱

ラフに引かれた櫛目がモダンな印象も受ける。先に描かれたポンポンと筆が飛び跳ねるように置かれた点描が絵瀬戸の釉の上で軽やかに踊る。

今年の夏の異常な暑さは平年の夏の平均気温と比較しても、1.76度も高かったそうで、熱中症警戒アラートという言葉を聞かない日はなかったと思う。「暑さ寒さも彼岸まで」と、ここのところの気温に安心してはいけなそうだが、それでも夜には虫の声が聞こえ庭ではコオロギと薄緑色したショウリョウバッタの赤ちゃんも見つけた。少しずつ、ほんの少しずつだが、秋はやって来ている。

秋きぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる



(藤)
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魯山人「大雅堂」・「美食倶楽部」発祥の地

魯卿あん(しぶや黒田陶苑・京橋店)

〒104-0031 中央区京橋2-9-9 ASビルディング1

営業時間 : 11:00~18:00 定休日:日曜日・祝日

TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704

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