魯卿あん便り ~ 月やこの世の 鏡なるらん

IMG_4078-2.jpg

魯卿あんのお茶室では、季節に合うしつらえをご用意しております。
仲秋の名月を迎える今月は月に因む三幅をご覧ください。

まず1週目は小杉放庵先生の月に鶉。

IMG_4083.jpg
小杉放庵
月とう津羅
清水清箱

鶉図と言えば根津美術館に有名な南宋の画院画家・伝李安忠筆の国宝があります。日本では土佐光起や酒井抱一など様々な画家を描いています。鶉は、中国では「鵪(an)」と書くそうです。「安」と同音である事から安じる意味があり安穏や安泰や平安などの意味に繋がっているようです。

IMG_4091.JPG
小杉放庵先生は月を見上げる鶉を描きました。
「放庵紙」とも言われる放庵好みの麻紙は独特の筆の掠れなどを表し、詩的な放庵の世界観を表現しています。


IMG_4149.jpg
参考出品
富本憲吉
白瓷高杯
山田 箱

お床にはお月見ということで台鉢にお団子をお載せしております。この台鉢は一見すると李朝白磁に見えますが富本憲吉先生の初期の作品です。李朝白磁を忠実に倣ってから独自の白磁を打出したことが良くわかる貴重な資料作品となっております。


IMG_4074.jpg
飯塚琅玕斎
花藍 銘「不老」
共箱

花入は竹細工の代表格である飯塚琅玕斎先生。まだまだ暑いのでやや涼しげな竹のもので凌ぎたいと思います。お花は秋明菊・女郎花・芒。


IMG_4080.jpg

通常、色が重なるものや同一の作家のものは取り合わせで嫌います。しかしながら掛花入と同様に暑さに耐えきれず涼しげな白の水指にしております。同じ白でもこちらの塚本快示先生の柔らかな貫入のある白磁をお使いしております。白磁でも色々なので重なりをお許しください。

IMG_4142.jpgIMG_4143.jpgIMG_4144.jpg
塚本快示
白磁水指
共箱


IMG_4120.jpgIMG_4118.jpg
小山冨士夫
油滴天目 白覆輪
共箱

茶碗は塚本快示先生と昵懇であった小山冨士夫先生の油滴天目を使っております。星空のような油滴天目の美しさをお楽しみください。

IMG_4114.jpg
長谷川清吉
銅錫象嵌丸茶器
共箱

IMG_4139.jpg

飯塚小玕斎
煤竹裏節茶杓
共箱

茶器も惑星を思わせる長谷川清吉先生の南鐐を用いております。茶杓は掛花入の飯塚琅玕斎先生の御子息の飯塚小玕斎先生の「一葉」というご銘のものを使っています。「一葉落ちて天下の秋を知る」とはわずかなことを見て大勢を予感する意味します。この季節も世の中のことも急に変わるわけでない。何が起こるにせよ小さな兆しがあると思われるので見逃さないようにしたいと思っております。

それにしても早く涼しくなると良いですね・・・。


IMG_4128.JPGIMG_4096.jpg
北大路魯山人
信楽:信楽灰被花入 共箱
お花:ローゼル・野ばら


呈茶も行なっております。
そぞろ歩きにも適した気温になりましたら、ぜひお出掛けくださいませ。


◇◇◇


京橋 魯卿あん
〒104-0031 中央区京橋2-9-9 ASビルディング1F
営業時間:11:00~18:00
定休日:日曜日・祝日
TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704

http://www.kurodatoen.co.jp/rokeian/



※無断転載、再配信等は一切お断りします


黒田草臣ブログはこちら

    新ブログ「陶 奈なめ 連れづれ」


Twitterページこちら

Facebook ページはこちら

Instagram ページはこちら

しぶや黒田陶苑のホームページはこちら


この記事へのコメント