漆の色〜鎌田克慈展〜
東京の暑さは昨夜の雨で随分と収まった様子ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。輪島では元日の震災に続き先日の大雨でも大きな被害を受けたと日々ニュースで伝え聴いております。現在個展を開催している鎌田先生ですが、スタッフさんの住居にも土砂が流れ込み、しばらくは復興にあたる必要があるそうです。
漆はとても繊細な技術ですので、作品を完成させるにも、技術を習得するにも膨大な時間がかかります。ここで漆の伝統が途切れぬよう、一人でも多くの皆様に先生の作品をご覧戴けましたら幸いでございます。
今回は、鎌田先生が制作されている作品を色ごとに紹介させて戴きます。
溜漆
色を加えていない漆を繰り返し塗り重ねることで、深く美しい栗皮色となります。内部は黒漆が施されており黒と茶色が馴染む様子は洗練された印象を与えます。縁の部分など塗りが薄くなる部分からは下地に塗られた赤色が浮かび上がるように発色しています。朱漆と黒漆の中間とも言えるこの色は、どのような食材ともよく調和することでしょう。
石目黒
以前のブログでもお伝えいたしましたが、石目塗とは炭粉や乾漆粉などを漆の表面に蒔き、石の肌目のような凸凹をもたせる技法で、細かい石畳のように見えるので石目と呼ばれています。鎌田先生の作品は全体ではなく部分的に石目が生じていることが分かります。そうすることで光の反射でざらついた部分が浮かび上がり、他とは違う個性的な印象を与えます。また、凹凸がツヤを抑えることで高級感のあるいでたちとなっています。
朱漆
漆といえば多くの人が想像するのはこの朱色でしょう。辰砂や紅柄といった顔料を混ぜることで鮮やかな朱色に発色します。朱の中でも様々な色の段階がございますが、先生の朱色は少し暗めで落ち着いた印象を受けます。こうした色合いはぼんやりとした明かりに照らされることで、陰翳礼讃に書かれたような美しい姿を見せるのでしょう。薄く軽い作りとなっていますが、芯となるのは麻布であり耐久性は申し分ありません。
先生の生み出す様々な色合いの漆はいかがだったでしょうか。個展は明日までとなりますが、作品の注文はホームページやお電話からも受け付けておりますので、お気軽にお問合せ下さい。
鎌田先生の作品を使用してお茶とお菓子を振舞わせて戴きますので、是非お立ち寄り下さいませ。
しぶや黒田陶苑 〈http://www.kurodatoen.co.jp/〉
電話:03-3499-3225
E-mail:info@kurodatoen.co.jp
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当苑では、渋谷・京橋の店舗にて、年間約40回の陶・漆・金工・硝子・書画など様々な展示会を企画開催しております。
今後の展示会の案内をお客様一律に発信する為、是非ご登録くださいませ。
展示会に関するお知らせや、YouTubeの配信のお知らせをさせて戴きます。
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