【乾漆 鎌田克慈展】  最終日

先週までのうだるような暑い日々から一変し、秋の涼しさが急に訪れました。お昼に出かけてどこかに観光がしたくなることが楽しみですね。

さて、20日に始まった鎌田克慈展は本日で最終日を迎えました。まだ記憶に鮮明に残っている元旦の能登半島地震から8ヶ月。先日はさらに大雨による被害も輪島を襲いました。
鎌田先生の工房も震災で大きい被害を受け、約半年ほど作品の制作もできない日が続いたそうです。そんな状況にもかかわらず、個展を開催できたことは非常に喜ばしいであります。


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1040 黒 甲盛正方弁当箱 
11.8 / H8.8cm
税込¥69,300


1048 1-溜 八角箸 
23.2 / H0.6cm
税込¥4,950


1074 1-黒 陶漆箸置 
6.1 / H0.4cm
税込¥3,300


先生の作品は木、石膏などの型を作り,麻布などを漆糊で張り重ねて素地を作り、米のりや米のりを混ぜ合わせ、その工程を何度か繰り返し、12時間ほど時間をかけて乾かした後、ようやく完成します。

本作の弁当箱は、二段作りとなり写真で分かるように、2段目が1段目に収納でき、持ち運びしやすい形になるというおもしろい作品になります。

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uneri761-黒高足鉢
19.4 / 18.1 / H6.2cm
税込¥42,900
uneri762-溜高足鉢
19.2 / 18.1 / H5.6cm
税込¥42,900


本展示会のUneriシリーズの1つとなります。先生らしい滑らかな曲線のフォルムにかわいらしい高台が印象的な鉢。


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床の間の額の作品は、富本憲吉の色繪飾箱詩文陶板です。
書かれている詩は、中唐の詩人である耿湋(こうい)のものです

返照入閭巷  憂來誰共語  古道少人行  秋風動禾黍  

返照へんせう 閭巷りよかうに入いる
憂うれへ来きたりて誰たれと共にか語らむ
古道こだう 人の行くこと少まれに
秋風しうふう 禾黍くわしよを動かす

「夕日がひとけのない村に照り返し、わびしい思いがこみ上げてくるが、村の小路には、行きかう人もなく、それを語る相手もいない。ただ、キビの葉ばかりが秋風に揺れさやさやと音を立てている。」

秋の悲し気な村里の風景を詠んだ詩。奈良で過ごした若き日の大和風景(通称:曲がる道)が描かれた陶箱を描いており、富本先生が感慨深く作品を制作したと想像できます。




次回の展示は、9/27から【色絵 前田正博展】を開催致します。3年ぶりの前田先生の展示会となりますので是非ご来苑戴けると幸いでございます。



しぶや黒田陶苑Shibuya Kurodatoen
https://www.kurodatoen.co.jp/

電話:03-3499-3225  
E-mailinfo@kurodatoen.co.jp

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(隆)



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