【色絵 前田正博展】 ~ 作品紹介 ~
ようやっと、涼しさが戻ってきました。
帰宅時、店を出てビルの外に出て「涼しい~!」と久々に口から出ました。
空も段々と秋めいて、夕暮れ時には様々な色が重なる美しい夕焼けも愉しめます。
帰宅時、店を出てビルの外に出て「涼しい~!」と久々に口から出ました。
空も段々と秋めいて、夕暮れ時には様々な色が重なる美しい夕焼けも愉しめます。
さて、今週の金曜日からは、こちらも秋の空とはまた違いますが、美しい色の重なりを見せる【色絵 前田正博展】が始まります。
白い白磁を真っ黒に塗ってから焼成、マスキングテープによる縦横斜めの細線を重ねていき、柄行も立体的な、織物のような温かみさえ感じ“やきもの”をお作りになられます。
約4年ぶりの展示会。
気取らず、あっけらかんと愉しそうな先生なので、親しみがあり、そんなに時が経ったとは思えないのが不思議です。
今回は、お馴染みの赤や青、白黒の作品に加えて、パッチワークのように一つの作品の中に、色とりどりの色合いが並ぶ作品もご用意戴きました。
それでは早速、作品のいくつかをご紹介致します。
11. 色茶盌
Tea bowl, Overglaze enamels
12.0 / H8.5cm
売約済/Sold
12.0 / H8.5cm
売約済/Sold
茶碗の中腹で少し括れた形には、格子の幅も様々、パッチワークのように並んだところに、爽やかな色合いが並んでいる。
もともと油絵をされていた先生は、古いキャンバスに色をのせたり、削ったりされていて、磁器でもそういうことをやりたいと思っていたのだとか……。
高台は鮮やかな朱赤。横から見ると、すっと一筋、朱の色が見えて美しい。
もともと油絵をされていた先生は、古いキャンバスに色をのせたり、削ったりされていて、磁器でもそういうことをやりたいと思っていたのだとか……。
高台は鮮やかな朱赤。横から見ると、すっと一筋、朱の色が見えて美しい。
2. 色絵銀彩蓋物
Covered vessel, Overglaze enamels and silver
19.8 / H12.6cm
19.8 / H12.6cm
大きな蓋物の作品は、立体的なキューブが浮かび上がってくるような不思議な柄行。
蓋を開けると、美しい群青色。
先生は、白磁の白がそのまま見えるのは強すぎる……と、この透けるような青色を付けられます。
蓋を開けると、美しい群青色。
先生は、白磁の白がそのまま見えるのは強すぎる……と、この透けるような青色を付けられます。
5. 色絵銀彩皿
Plate, Overglaze enamels and silver
26.2 / H2.3cm
26.2 / H2.3cm
6. 色絵銀彩皿
Plate, Overglaze enamels and silver
26.2 / H2.3cm
26.2 / H2.3cm
実に愉しい食卓になりそうなお皿。
テーブルに並べただけでワクワクしてしまいそう。
テーブルに並べただけでワクワクしてしまいそう。
Covered flower vase, Overglaze enamels and silver
9.5 / H22.5cm
9.5 / H22.5cm
こちらは、今回初めての試みでもある、蓋付の花入。
お花を活けていない時には、蓋をして観賞用のオブジェとしても愉しめます。
本作品は一見モノクロの作品に見えますが、よく見ると銀彩の格子の向こうに複雑な赤や紫が覗いて立体的に見えます。
お花を活けていない時には、蓋をして観賞用のオブジェとしても愉しめます。
本作品は一見モノクロの作品に見えますが、よく見ると銀彩の格子の向こうに複雑な赤や紫が覗いて立体的に見えます。
16. 色絵注器
Tea pot, Overglaze enamels
12.0 / 8.0 / H6.9cm
12.0 / 8.0 / H6.9cm
17. 色絵茶器(五客)
A set of 5 tea cups, Overglaze enamels
5.8 / H5.2cm
5.8 / H5.2cm
こんな茶器のセットがあったら、嬉しくなってしまいます。
丸い注器のボディーに描かれた格子柄も、マッチしています。
丸い注器のボディーに描かれた格子柄も、マッチしています。
20:色茶盌
Tea bowl, Overglaze enamels
19:色茶盌
Tea bowl, Overglaze enamels
今回初めてご出品の紺色の作品。
深い紺色の上に銀彩が乗って、大人の雰囲気。
見込の細い銀彩の線が千切れたように見えるのも、何だか不思議で面白い見え方。
深い紺色の上に銀彩が乗って、大人の雰囲気。
見込の細い銀彩の線が千切れたように見えるのも、何だか不思議で面白い見え方。
Tea bowl, Overglaze enamels
茶碗中央の節目を境に上下で色を分けた印象的なお茶碗。
高台側には三角形が三方に伸びた柄が見える。
器体内側の金色は、金の含有量がやや高めのものを使いながらも「金ピカ」にならないよう工夫されているのだとか。焼き付けた際、下地の黒が透けて見えることも合わせて効果となっています。
高台側には三角形が三方に伸びた柄が見える。
器体内側の金色は、金の含有量がやや高めのものを使いながらも「金ピカ」にならないよう工夫されているのだとか。焼き付けた際、下地の黒が透けて見えることも合わせて効果となっています。
Vessel, Overglaze enamels and silver
17.4 / H13.8cm
17.4 / H13.8cm
横に4段面取りされた壷には、それぞれ色が分けて乗せられている。
また、縦に12面に分けて銀彩の格子を入れることにより、少しづつ、柄がずれて、パッチワークされたような複雑な印象となる。
また、縦に12面に分けて銀彩の格子を入れることにより、少しづつ、柄がずれて、パッチワークされたような複雑な印象となる。
48:色絵銀彩鉢
Bowl,Overglaze enamels and silver
24.0 / H10.6cm
24.0 / H10.6cm
こちらは器体外側の中腹に一筋、節が入った鉢。
器体外側は上下で色付けが変わり。見込側は4段に分かれて色付けされている。
また、口縁には朱赤が一筋残してあり、引き締まった印象となる。
器体外側は上下で色付けが変わり。見込側は4段に分かれて色付けされている。
また、口縁には朱赤が一筋残してあり、引き締まった印象となる。
Bowl With Foot, Overglaze enamels and silver
19.4 / H7.9cm / 20.2 / H8.6cm
19.4 / H7.9cm / 20.2 / H8.6cm
高さのある高杯も、前田先生の手に掛かれば、とても印象的な作品となる。
35:色絵銀彩蓋物
Covered vessel, Overglaze enamels and silver
11.0 / H11.4cm
11.0 / H11.4cm
可愛らしい小振りな蓋付き壷には、ピエロの鼻のような赤く丸いつまみが付いている。
壷の中は鮮やかな青色。
何だか夢が詰まった魔法の壷に見えてきた。
壷の中は鮮やかな青色。
何だか夢が詰まった魔法の壷に見えてきた。
38・39:色絵銀彩瓶
Bottle, Overglaze enamels and silver
8.7 / H8.6cm / 7.4 / H6.3cm
8.7 / H8.6cm / 7.4 / H6.3cm
こちらは小さな蓋付き瓶。
二つ並べると、サーカス小屋のように見えてきました。
やはり、前田先生の明るく優しい雰囲気が、こういった作品に現れているように感じます。
二つ並べると、サーカス小屋のように見えてきました。
やはり、前田先生の明るく優しい雰囲気が、こういった作品に現れているように感じます。
64・63・62:色絵珈琲碗
Cup&saucer, Overglaze enamels
色とりどりのカップを並べると、それだけで楽しい気分。
3. 色絵洋彩鉢
Bowl, Overglaze enamels
33.1 / H9.4cm
33.1 / H9.4cm
竹を裂いて薄く削って出来た帯を編んだ器に漆を塗り重ねた籃胎漆器のようにも見える鉢。
46:色絵銀彩掛花
Hanging flower vase,, Overglaze enamels and silver
45:色絵銀彩掛花
Hanging flower vase,, Overglaze enamels and silver
今回久しぶりに作られたという掛花入もございます。
プロパー:色絵酒器 / 32:色絵徳利
Sake cup,Overglaze enamels / Sake bottle,Overglaze enamels
Sake cup,Overglaze enamels / Sake bottle,Overglaze enamels
今日は酒器の追加作品が間に合いませんでしたので、プロパーでご紹介しております作品と共に、新作の徳利をご紹介致します。
徳利の首の部分には色をあえて乗せず、元々が白磁であることが分かります。
少し口縁に一筋と、数か所朱赤のラインを入れている所も、可愛らしいです。
徳利の首の部分には色をあえて乗せず、元々が白磁であることが分かります。
少し口縁に一筋と、数か所朱赤のラインを入れている所も、可愛らしいです。
「明るく、楽しく、美しく!」がモットーと仰る先生。
それは、いつ何時も変わることなく、観る者の心にも響きます。
展示会当日には、他に20点程先生が追加で作品を手持ちされる予定です。
先生も全日、ご在廊下さいます。
会場に並ぶ作品から、その先生の温かさと、明るさを感じ取って戴けましたら幸いです。
(葉)
【色絵 前田正博展】
Exhibition of MAEDA Masahiro
開催期間:2024年9月27日(金) ~ 2024年10月1日(火)
Exhibition : September 27 to October 1, 2024
前田正博
MAEDA Masahiro
【陶歴】
1948 京都府久美浜町に生まれる
1975 東京藝術大学大学院工芸科陶芸専攻修了
第22回日本伝統工芸展 入選(以後40回)
1983 今日の日本陶芸展(スミソニアン博物館・ワシントン、ヴィクトリア&アルバート美術館・ロンドン)
1988 第35回日本伝統工芸展 日本工芸会奨励賞受賞
1991 次代を拓く一新しい茶の造形展(日本橋三越・東京)(92,93年)
1992 日本の陶芸「今」百選展(三越エトワール・パリ、日本橋三越・東京)
1994 手の冒険展(宮城県美術館・宮城)
1996 現代日本陶磁秀作アジア巡回展(国際交流基金)
1997 伝統工芸新作展 鑑審査委員(2000,01,06,07年)
1998 第38回伝統工芸新作展 奨励賞 受賞
2000 前田正博展(大心苑美術館・茨城)
2002 日本伝統工芸展 鑑審査委員(2010,12,15,16,18,20,23年)
神奈川の陶芸 うつわの美展(神奈川県民ホールギャラリー・神奈川)
現代の陶芸100年展(岐阜県現代陶芸美術館・岐阜)
2003 Japanese Ceramics Today(菊池寛実記念 智美術館・東京)
2005 第1回菊池ビエンナーレ 優秀賞受賞
東京・六本木に工房を移転 六本木磁器倶楽部開催
2006 現代陶芸の粋展(茨城県陶芸美術館・茨城)
2007 前田正博色絵磁器展(アサヒグループ大山崎山荘美術館・京都)
2008 第2回智美術館大賞 現代の茶陶展 優秀賞 受賞
2009 第56回日本伝統工芸展 日本工芸会総裁賞 受賞
赤黒金銀線青 前田正博の色絵展(菊地寛美記念 智美術館・東京)
2010 第17回MOA岡田茂吉賞展 MOA美術館賞 受賞
東日本伝統工芸展 鑑審査委員(2011,14,19,23年)
2011 日本陶磁協会賞 受賞
2013 「カラフル×モノクロ前田正博×日本画」展(佐野市立吉澤記念美術館・栃木)
第8回パラミタ陶芸大賞展(パラミタミュージアム・三重)
日本伝統工芸展60回記念「工芸からKOGEIへ」展(東京国立近代美術館 工芸館・東京)
2015 第6回創造する伝統賞 受賞(日本文化藝術財団・東京)
2016 前田正博磁器研究所開催(横浜馬車道・神奈川)
現代日本の工芸 巡回展(国際交流基金)
2017 第37回伝統文化ポーラ賞 優秀賞 受賞(ポーラ伝統文化振興財団・東京)
平成の至寶八十三選(法相宗大本山 薬師寺・奈良)
2019 第68回神奈川文化賞 受賞(神奈川県&神奈川新聞社・神奈川)
2020 工藝2020 自然と美のかたち展(東京国立博物館 表慶館・東京)
第69回横浜文化賞 受賞(横浜市・神奈川)
2021 東京2020 NIPPON フェスティバル オンライン展示ー工芸のミライー
「青・黄・黒・緑・赤 前田正博作陶50周年 色の風景展」(神奈川県・神奈川)
2022 現在ノ茶陶 水指ト茶碗テン15(緑ヶ丘美術館・奈良生駒)
日本工芸会陶芸部会50周年記念未来へつなぐ陶芸一伝統工芸のチカラ巡回展
2023 展示会「LEGEND OF DIAMONDS」ギフト制作(ヴァンクリーフ&アーベル)
現在 日本工芸会正会員、茨城県立笠間陶芸大学校顧問
石川県立九谷焼技術研修所 名誉講師
日本陶芸美術協会 副幹事長
◇
しぶや黒田陶苑の「公式LINE」が出来ました。
当苑では、渋谷・京橋の店舗にて、年間約40回の陶・漆・金工・硝子・書画など様々な展示会を企画開催しております。
今後の展示会の案内をお客様一律に発信する為、是非ご登録くださいませ。
展示会に関するお知らせや、YouTubeの配信のお知らせをさせて戴きます。
当苑では、渋谷・京橋の店舗にて、年間約40回の陶・漆・金工・硝子・書画など様々な展示会を企画開催しております。
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