モダン濱田庄司展 初日

秋らしく長雨が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。渋谷では一日で気温が大きく変化して、どんな服装が良いか分からなくなってしまいます。
さて、当苑では本日から【モダン 濱田庄司展 II 】を開催しております。先生の作品はその土地の誰もが手に入れることのできる素材を使用し、技法も刷毛目や掻き落としなど伝統的に伝わっているものばかりです。一見するとモダンで民藝とは離れた印象を受けるかもしれませんが、あるがままの素材を用いることで道具の中にある純粋な美しさを引き出しています。
今回はそうした用の美を備えた作品をご紹介致します。


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32.塩釉絵刷毛目花瓶 16.6 / H18.4cm
どっしりとした安定感のある作品。卵のような形をしており、下部は高台にかけてざっくりと削られている。この作品の見どころは胴回りに大胆に塗られた刷毛目だろう。筆にたっぷりとしみ込ませた白土がぐるりと勢いよく駆ける様は実に爽快である。その上に施された鉄絵も一切のためらいがなく、本能に従ったような力強い美しさを感じる。


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31.掛合掻落扁壷 16.0 / 9.5 / H22.4cm
釉薬を掛けてから落とすことで模様を描く「掻き落とし」の技法を用いた作品。線の強弱や掻き落とした跡に釉が垂れていることから、釉薬が乾かぬうちに素早く模様が描かれたことが分かる。釉薬を掛けてから乾燥するまでの時間は決して長くはない。直感に従って描くことで、根源的な美しさを捉えることができるのだろう。

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4.塩釉丸紋壷 16.6 / H17.0cm
真っ白な円が特徴的な作品。よく見ると前後の白い円だけでなく、左右には濃い黄色の円があることが分かる。四つの円に気づいたら、次はこの壷を覗き込んで欲しい。壷の口から光が差し込んで中に綺麗な光の円が浮かび上がっている。これを計算されていたかは分からないが、細部まで妥協せずに制作されているからこそ、こうした偶然の美しさが付随するのだろう。

現在は花を活けております。
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軸:棟方志功 萬里水雲長云々記
花:ウメモドキ、オケラ


会場の様子
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濱田庄司先生の作品はいかがでしたか。先生の求められた美しさは一貫していて、作品から民藝に対する思いを感じることができます。
会場では濱田先生や富本憲吉先生の作品でお抹茶をお出ししておりますので、お気軽にお立ち寄りくださいませ。



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