辻清明展 二日目

全国的に雨模様となり肌寒さを感じる日となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。先日はハロウィンで渋谷は足の踏み場もない程賑わっていましたが、翌日からすっかり通常通りとなっています。会期中は落ち着いて作品を鑑賞して戴けるかと存じますので、是非お立ち寄りくださいませ。
さて、本日は辻清明先生の作品を幾つかご紹介させて戴きます。

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No.5 信楽土自然釉茶盌 13.2 / 11.6 / H8.8cm ¥770,000(税込)
3つの目跡と大きな釉垂れが特徴の茶盌。形は楕円形で大きく、手にピッタリと収まり心地よい重さである。高台全体に緑色の自然釉がさらさらと掛かっており、滑らかで優しい質感が掌に伝わる。
先生は窯詰にこだわり、作品を置く場所、向き、周囲の状態から様々な景色を作りだした。この茶盌の見所は3点の目跡だが、目跡とは本来地面に接触することを防ぐため、高台に3つ控えめに生まれるものである。ところがこの茶碗は正面を作り出すために、貝殻の上に寝かせるように置いて焼成されている。火表となった面には多くの灰が飛来し、火の勢いによって溶け正面まで流れている。
この場所に釉が流れてこの場所に窯変が起こればいいな、と思う事はあれどそれを実現させることは難しい。先生の経験と炎の偶然により生まれる茶盌がどれほど貴重なものであるか、手に取って感じて戴きたい。

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No.9 絵唐津茶盌 12.3 / 12.0 / H8.9cm ¥770,000(税込)
腰が張った大きな絵唐津茶盌。全体に筆を押し当てたような大胆な絵付けがなされている。高台の周囲には釉が掛っていない場所があり、そこから鮮やかでさっぱりとした緋色の土が覗いている。見込には釉が縮れて溜まる様子や貫入が見受けられ、魅力的な景色をつくりだしている。信楽がよく知られる先生だが、唐津も積極的に制作されており、明る寂びに通じる朗らかな雰囲気を纏っている。

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No.52 信楽墨台 7.3 / 6.1 / H3.3cm ¥33,000(税込)
No.24 伊賀鳥水滴 5.7 / H7.6cm ¥132,000(税込)
中央が凹んだ墨台に丸い形が可愛らしい水滴。どちらも自然釉でほんのり緑色をしている。先生は自宅でフクロウを飼育されており、水滴は鳥らしさを良くとらえた作りとなっている。


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会場では辻先生の作陶の様子を納めた映像と図録を揃えております。どのように作られているのか理解した上で作品をご覧戴くことで、より深くお楽しみ戴けるかと存じます。先生は本やテレビへの出演も多くなさっておりましたので、合わせてお調べになってみてはいかがでしょうか。


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