泥より出でて泥に染まらず
年々早くなっている、クリスマス並びにお正月商戦。9月に入ったかという頃にはデパートのお知らせが届いていたような気がする。とはいえ、クリスマスの飾り付けは楽しみで、毎年少し違ったオーナメントを見つけたりして、それにしっかり乗っている。先日後ろが平らになっているツリーを見つけ、壁に掛けられると知り目新しく思わず購入した。が、オーナメントの箱の一つが見つからず、いまだ裸木状態で何とも寂しい風情である。
『菊池克 作陶展』がスタートしました。開店前から多くのお客様が並ばれました。毎年、これは!と新たなモチーフの作品がお目見えして、見入ってしまいます。今年の「これは!」は一体どんな作品なのか、ぜひ直にご覧になっていただきたいと思います。
左:10 粉引香炉 右:130 粉引聞香炉
香道を始められた克先生、愛らしい香炉を作って下さいました。どんなお香を焚きしめられるのでしょう。
これくふて蛇の目皿
グレーと刷毛目の2種類の蛇の目皿。来年の干支のヘビ年に因んでお作り下さいました。
手前左から時計回りに 128 荷葉片口 / 29 荷葉鉢 / 25 荷葉鉢(大)
鉢の裏を返すと高台の中まで蓮の葉の葉脈が。
片口の裏は蓮の実を表現されていて、こちらも見どころ。
蓮の鉢は大きさが異なり、葉の開き具合もそれぞれ違っていて迷いそうです。
菩薩手
先生が千手お作りになるとかたい決意をなさっている手のシリーズの一部をお出し下さいました。仏像の手の組み方の印相を思わせるものも。
筆架
克先生が作り続けておいでの蓮シリーズの作品たち。皿だったり、片口やぐい呑と形は違えど、どれも蓮。古来、蓮の大きな葉は食べ物を盛る器としても使われていた。7月7日の七夕の日に蓮の葉に溜まった朝露を集め墨をすり、その墨汁で字を書くと習字が上手になるとの言われも。
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」
美しく咲く蓮の花と葉は泥沼の奥に長く伸びている地下茎から地上へと立ち上がり、泥を少しもつけることなく艶やかな緑色の葉と神々しいばかりの花を咲かせる。その様子は穢れ多き俗世においても清浄な心を保つ象徴として、古来より宗教の教義に結びついている。その蓮の花、午前中の早い時間帯でないと見ることができず、午後には花が閉じてしまうので、それを知らずにノコノコと蓮見物に行って、がっかりしたことがあった。
早起きと時計を心配せずに先生の蓮の器で心穏やかに過ごしましょうか。
(藤)
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Exhibition of KIKUCHI Katsu
開催期間:2024年11月29日(金) ~ 12月3日(火)
Exhibition : November 29 to December 3, 2024
魯山人「大雅堂」・「美食倶楽部」発祥の地
〒104-0031 中央区京橋2-9-9 ASビルディング1F
営業時間 : 11:00~18:00 定休日:日曜日・祝日
TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704
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