【漆 太田修嗣展】  ~ 作品紹介 ~

何だかここ数日も暖かい日が続き、秋をすっ飛ばしてしまったような気候に、師走に足を掛けたことが嘘のように感じます。
寒がりの私にとっては、暖かな冬は嬉しい気も致しますが、やはり大きな目で見ると、地球温暖化は本当に深刻な問題です。
我が家の庭木もずっと元気に育っていた樹々が、夏の暑さに耐えきれず、ここ数年で何本か駄目になって立ち枯れてしまいました。

さて、今週の金曜日からは、毎年皆様が愉しみにお待ちくださっております【漆 太田修嗣展】が始まります。
太田先生が手掛ける作品は、材も、漆も全てが自然の樹々から出来ています。昨今の温暖化現象はお仕事に影響はないのでしょうか。
ついつい忘れがちになる、大切な伝統ある漆の仕事の背景にも、目を向けられる時間となれば幸いでございます。

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会場


例年、沢山の作品をご出品くださいますが、今年はどんな作品が届いたでしょうか。
早速、作品をご紹介させて戴きます。


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12-5:摺漆八角盃 楓
17-3:黒根来大椀 欅 / 22-4:洗朱根来汁椀 欅
58:カンナ目朱箸 鉄木
29:拭き漆捧盤 沢栗

大きな脚付の楕円形の盤(47.0/33.5/H10.5㎝)には、たっぷりの大椀(15.0/H9.0㎝)と汁椀(10.0/H8.0㎝)を合わせて……
こんな取り合わせの時には、盃(8.0/H3.0)を酒器として使わずに、お新香などを載せて使っても、用途が広がって愉しそう。


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32-5:洗朱根来取手小鉢 栃
57:ヨーグルトスプーン 朴
31-3:三ツ足内錫黒鉢 欅
59:カンナ目錫黒箸 鉄木
53:カンナ目高台大盆 沢栗

少し高さのある高台付きの盆(40.0/H6.0㎝)に合わせるだけで、どこか格式が高くなったような雰囲気となり、特別な時間が過ごせそう。
三ッ足の鉢(18.0/H5.0㎝)には、少しボリュームのあるサラダを盛りつけて、小鉢(12.5/H6.0㎝)にはフルーツも沢山入れたヨーグルトを……
是非、先生作のヨーグルトスプーンですくって下さい。


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27-3:拭き漆ミルク椀 沢栗
33-3:洗朱根来平鉢 山桜
59:カンナ目錫黒箸 鉄木
48:ハツリ長角盆Ⅱ 沢栗

少し大きめの長角盆(30.0/39.0/H2.5㎝)には、少し深さのある平鉢(20.0/H4.0㎝)と拭き漆のミルク椀(8.0/H8.0㎝)を合わせて……
平鉢は深さもあるので、安心してどんなものでも盛り付けられます。
ポテトサラダに色とりどりの温野菜に小さなパンを添えてみても良いかもしれません。


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26-5:朱ミルク椀 欅
25-5:錫黒内朱スープ椀 栃
昨年度出品作品 52-10:カレースプーン 朴
49:アナーキーカンナ目盆 沢栗

耳付きの可愛いスープ椀(14.0/17.0/H6.0㎝)には大きめにカットしたお野菜を煮込んだポトフも、子に季節にはちょうど良さそう。
温かな飲み物とご一緒に、どうぞ……
木の目の穴を残したアナーキーのお盆(35.0/H3.0㎝)も素敵です。


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16-4:洗朱根来丼椀 欅
56:レンゲ 鬼グルミ
8:ハツリ台盆Ⅱ 沢栗

寒い夜は、小さな台盆(29.5/H4.0㎝)に大きな丼一つで一気に美味しい物を胃に流して温まりたくなります。
大きな大きな丼椀(14.0/H9.0㎝)にはトロっとした卵が光親子丼等いかがでしょうか。
三つ葉の靑も添えたら、一気にレンゲで掻き込みたくなります。


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13-8:拭き漆合鹿大椀 沢栗
19-4:朱汁椀 欅
59:59:カンナ目錫黒箸 鉄木
35-2:洗朱根来三ツ足盤 朴

太田先生の椀物はどれもたっぷりの容量。
大椀(15.0/H9.0㎝)は、木目が鮮やかに浮かび上がり、良い表情。
汁椀(11.5/H8.5㎝)の朱赤も、具材の色味を惹き立てくれそう。
朱赤の三ツ足盤(35.5/34/H3.5㎝)は。細い三日月のように縁の幅を変えて付いていて、面白い。


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4:黒根来ハツリ大皿 朴
3-2:洗朱根来ハツリ大皿 朴

今年初出品の大きな四角い大皿(27.8/H1.8㎝)も素敵。
大きな波上に鎬が入り、陰影を持たせている。
皿縁に、下に塗った色が薄く見えるようにあえて薄く色付けしているのも面白い。


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46-1:ハツリ長小皿 沢栗
12-5:摺漆八角盃 楓
55-3:朱片口 朴
42-1:ハツリ小盆Ⅱ 沢栗

小さな小盆(18.0/24.0/H2.5㎝)には、盃(8.0/H3.0㎝)と片口(9.0/11.6/H8.5㎝)のセットをのせて……
奥の長小皿(12.0/19.0/H1.5㎝)には、お好みのアテを数種類用意して、一人時間をじっくり愉しみたいもの。


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34-1:洗朱根来中皿 山桜
44-4:菊彫七寸Ⅱ 沢栗

こちらには使いやすそうな丸皿を二種、ご紹介致します。
山桜の中皿(18.0/H1.5㎝)は、手取りが柔らか。
沢栗の七寸(21.0/H2.0㎝)も樹の木目と、先生の鉋仕事で入った菊の花のような鎬が目を愉しませてくれる。


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21-4:洗朱根来具たくさん椀 欅
20-2:朱具たくさん椀 欅

名前の通り具たくさん椀も嬉しい作品。
どちらの椀も13.0/H9.0㎝のたっぷりサイズ。
根菜類もたっぷり入ったお味噌汁が戴きたくなってきました。





週末からはまた冬の寒さが戻るようです。
太田先生の作品は、手取りも、使い心地も、胃も、心も全部が満たされて温かくなる作品ばかりです。
どうぞ、太田先生の温もりある作品をご覧に、渋谷まで脚をお運び下さいませ。






(葉)






 【漆 太田修嗣展】 
Exhibition of OTA Shuji
開催期間:2024年12月6日(金) ~ 2024年12月10日(火)
Exhibition : December 6 to December 10, 2024


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太田修嗣
OTA Shuji

1949年 愛媛県に生まれる
1981年 鎌倉にて漆塗り職につく
1983年 村井養作氏に蒔絵を学ぶ
1988年 神奈川厚木にて独立
1991年 当苑にて個展
1993年 愛媛県伊予郡に工房を移す



 京橋 魯卿あん 
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