新しい一年のはじまり【初夢初盌展】初日

年が明けて早いもので10日が経ちました。
北海道が故郷のため大雪を覚悟して帰りましたが、雪かきをしたのはたったの一日。
天気にも恵まれた時間を過ごすことができました。

また工芸舎に足を運んだところ、柴山勝先生の作品や旧蔵品、また展示室を拝見することができました。
オーナーの方とお話をしているととても愛を持って柴山先生の作品を保存されており、定期的にお伺いしたいと思わされる訪問でした。
陶苑でも同じように多くの皆様に楽しんでご来苑いただけるよう、この一年も精進してまいります。

さて、本日より陶苑最初の展示会【初夢初盌展】が始まりました。
現代作家の先生方にお作りいただいた新作のお茶碗と巨匠の名品が一堂に会しております。

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最初にご紹介するのは見附先生の作品です。
※見附先生の作品は展示会会場での抽選販売で12日(日)までの受付となります。電話やメールでのご予約は承っておりませんのでご了承くださいませ。※

見附正康 / MITSUKE Masayasu
No.1 赤絵細描小紋面取茶碗 / Tea bowl, Faceted, Overglazed red enamel
10.3 / 9.8 / H8.5cm
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緻密に描かれた赤絵は高台側までも広がっている。
白の余白を生かしながら伝統的な模様からモダンな形を作り出している。

見附正康 / MITSUKE Masayasu
No.2 赤絵細描小紋面取茶碗 / Tea bowl, Overglazed red enamel
10.7 / H7.8cm
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丸い器体に合わせて弧を描くように模様が生み出されている。
網文は幸運を象徴する縁起の良い柄ともされているが、邪気を通さない「魔除け」の意味合いもあり、中心に集まるように描かれた模様が悪いものを弾いてくれるかもしれない。


加藤高宏 / KATO Takahiro
No.2 茜志野茶盌 銘「焰花」 / Tea bowl, Akane-shino, "Honoka"
14.2 / 13.4 / H10.2cm
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「焰花」(ほのか)と銘が付けられたこのお茶碗。
器は花のつぼみのようにふっくらとし、赤く焼きあがった土色が志野釉の下にほのかに浮かび上がってくるよう。志野釉の厚みによって変わる色が揺らめく焔にも見えてくる。
志野釉の間からは所々強く焼けた土も覗く。


菊池克 / KIKUCHI Katsu
No.1 粉青菊花文茶碗 /  Tea bowl, Buncheong style, Chrysanthemum motif
12.2 / 11.8 / H8.7cm
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化粧掛けの上に青磁が鮮やかに出たお茶碗。
淵に描かれた連続模様と可愛らしい菊が掻き落とされている。
やや小ぶりの器体に高さのある高台が安定している。

新里明士 / NIISATO Akio
No.1 光器 筒碗 / Tea bowl, Luminescent Vessel, Cylindrical shape
10.8 / H9.0cm
※売約済 / Sold
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新里先生お馴染みの器体に穴を開け、透明な釉を流し込むことでできる光器。
大小様々の穴は不連続でありつつどこか規則性を感じる。
よく晴れた冬の星空のようである。



新里明士 / NIISATO Akio
No.2 黒磁碗 白釉 / Tea bowl, Black with white trail
11.9 / 10.7 / H9.0cm
※売約済 / Sold
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薄く伸ばされた黒磁のお茶碗は外側がマット調、見込み側は青味がかった黒で艶やかに仕上げられている。
正面のぽつぽつと浮かんだ白釉が反転した水墨画のようである。



若尾経 / WAKAO Kei
No.1 象牙瓷茶盌 / Tea bowl, Ivory-colored glaze
14.0 / H11.6cm

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花びらのように筋が入った若尾先生らしいお茶盌。
ベンガラの朱色が貫入を美しく彩り、名の通りの象牙瓷のような乳白色が見る面によって豊かな表情を見せる。



常設展示側には巨匠の先生方のお茶碗も多く取り揃えております。


川瀬竹春 / KAWASE Chikushun
伊呂恵 / Tea bowl, Iro-e
10.8 / H9.2cm
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竹春先生の色絵のお茶碗は阿蘭陀風。
葉っぱや蝶の文様が色とりどりに描かれている。
先生の自由な絵付けが楽しく心明るくさせてくれる作品である。


川瀬順一 / KAWASE Junichi
祥瑞筒茶盌 / Tea bowl, Sometsuke, Cylindrical shape
9.7 / H10.4cm
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順一先生の祥瑞は面ごとに全て異なる染付が細密に施されており、じっくり一つ一つを見たくなる。
見込み上部には一続きの景色も見られ、どこをとっても趣深い。



<今週のお花>

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塚本快示 白瓷唐草鉢
仏手柑

仏手柑が活けられているのは塚本先生の鉢。
大きな実がよく映えている。
写真では判別しづらいが、水面を覗き込むと見込みに唐草模様が浮かんでいる。
また外側は上から差し込んだ光によって葉の文様が輝いて見える。



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奥村土牛 茶三昧
ウメモドキ、椿

赤い実は新年らしく、竹を割って作られた花生の緑がまぶしい。
茶三昧の書はお茶碗のこの展示会にぴったりである。

インフルエンザや風邪が流行っている今日この頃、それぞれの魅力がたくさん詰まったお茶碗でお抹茶をいただき、免疫をつけたいところ。
そして一杯、二杯と飲むうちに心を落ち着かせて穏やかな年初めを過ごしたいものです。

皆様のご来苑をお待ちしております。



 【初夢初盌展】 
 Exhibition of Chawan
開催期間:2025年1月10日(金) ~ 2025年1月14日(火)
Exhibition : January 10 to January 14, 2025




※無断転載、再配信等は一切お断りします



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