新たな茶碗 『松永圭太展』より
先週金曜日より松永圭太さんの個展が始まりました。
最近では美術館での展示会も続き、若手陶芸家の中でも非常に注目度を高めている松永さん。
泥漿の鋳込みや型打ちによる成形、転写シートを用いての絵付けなど、あくまでも一般的とも言える技法を細かく分解し、それらの方法に独自の方法を組み込むことで、他にはない独創的な作品を制作されています。
泥漿の鋳込みや型打ちによる成形、転写シートを用いての絵付けなど、あくまでも一般的とも言える技法を細かく分解し、それらの方法に独自の方法を組み込むことで、他にはない独創的な作品を制作されています。
一見すれば非常に現代的な姿をしていますが、地層を再構築したようなその陶肌に注目すると土そのものの持つ原初的な美しさ、魅力を強く感じ、時空や時間を自由に行き来するような妙味を感じます。
オブジェ作品でも様々にその展開を広げていますが、今回は「茶碗」にも挑戦して戴きました。
これまでにも茶碗は作られてきましたが、今回はそのバリエーションを増やし、更に完成度を高めたものばかり。
金属や見立ての茶器などを自由に合わせ、茶室だけではなく現代建築の中でも用いてみたい茶碗たちです。
これまでにも茶碗は作られてきましたが、今回はそのバリエーションを増やし、更に完成度を高めたものばかり。
金属や見立ての茶器などを自由に合わせ、茶室だけではなく現代建築の中でも用いてみたい茶碗たちです。
図15. 宇金香 / Bowl, Tulip
チューリップを意味する鬱金香からその名前を付けた「宇金香」。小さく丸めた粘土を板状に伸ばしたものを横に並べ繋げることで出来た姿が、チューリップの花弁に似たところからの由来とのこと。白黒の縦の模様は工房のトタンの壁を写真で撮影・加工し転写シートで焼き付け、やきものが生まれる場である工房を象徴的に写し取っている。
技法としてはタタラ成形に似ているが、細かなパーツを用いることでより複雑な凹凸を付け、掌にしっくりと馴染みむ。
51. 繭盌 / Bowl, Cocoon
泥漿鋳込み成型の型に自然の石を用いた「繭盌」。
石を用いたのは手取りの良さを掴みたかったという松永さん。石を型にすると言ってもあくまでもそのきっかけだけで、作品によっては一部分だけ。本作では胴の半分より下が石を用いた型。仔細に肌を見ると胴の下部だけ石の表面にある凹凸が残っている。内側には化粧土を施し、外側にはトタンの写真を転写している。合間に出ている泥漿の亀裂もアクセントとなっている。
石を用いたのは手取りの良さを掴みたかったという松永さん。石を型にすると言ってもあくまでもそのきっかけだけで、作品によっては一部分だけ。本作では胴の半分より下が石を用いた型。仔細に肌を見ると胴の下部だけ石の表面にある凹凸が残っている。内側には化粧土を施し、外側にはトタンの写真を転写している。合間に出ている泥漿の亀裂もアクセントとなっている。
横長に伸びた独特な形をした繭盌には層の合間に薄い青色の層が見える。これは長石を色付けたものを泥漿を流し込む際に合間に入れたもの。あえて時間をかけながら型に流し込み成形する、松永さん独自の鋳込みだからこそ生まれる新たな「練り込み」と言えるだろう。
ユニークな形だが手に取ると収まりが良いのは、自然の石の姿が持つ魅力を型に用いることで内在していると言えるだろう。
ユニークな形だが手に取ると収まりが良いのは、自然の石の姿が持つ魅力を型に用いることで内在していると言えるだろう。
型打ち成形から生まれる「脈脈」。今回は一部に練り込みを用いている。均一な練り込みによる絵画的な表現ではなく、合間に漂い、混じり合うような自然な練り込みは鋳込み成型の作品に特徴的な亀裂による層ともどこか重なる部分があり、偶発的にも見えるが作者の一定のコントロール下にある模様としてどこか理知的な雰囲気を持っている。
会期直前まで新たな茶碗に挑戦してくださった松永さん。
会場では実際に呈茶用の茶碗としてもお出ししております。是非手に取りその魅力を感じて戴けましたら幸いに存じます。
会期は7月5日までです。
会場では実際に呈茶用の茶碗としてもお出ししております。是非手に取りその魅力を感じて戴けましたら幸いに存じます。
会期は7月5日までです。
【松永圭太展】
開催期間:2026年6月26日(金) ~ 7月5日(日) ※7月2日(木)定休
開催期間:2026年6月26日(金) ~ 7月5日(日) ※7月2日(木)定休
図1. 幹 / Trunk
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